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コラム・日記(2019年6月)

オリエンタルランドの協動力ワークショップ
~自分らしいリーダーシップの発揮に向けて~ 2019年6月19日

IMG_3831.JPEG東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド。
そこで働く従業員の方々に向けて、ジェイフィールがワークショップを行っています。
テーマは「協動力ワークショップ~自分らしいリーダーシップの発揮に向けて~」です。
参加者は勤務歴が比較的浅い、アルバイトの皆さん。
1日を終えての感想は「やはり"らしさ"がある」でした。
「らしさ」が明確にある組織はそう多くないと思うのですが、株式会社オリエンタルランド(以下オリエンタルランド)はそういった意味では特別だと思います。
施設を訪れたことがある人なら誰しも感じたことがあるであろうホスピタリティの高さ、笑顔、思いやり、コミュニケーション... ...そのイメージがそのまま、組織のイメージとなっているからです。
それは言わば、こちらが勝手に抱いているイメージなのですが、このワークショップに参加した皆さん、事務局の皆さんからはそのイメージ通りの印象を受けました。

ワークショップではまず、皆さんが考える「イキイキした職場」とはどのようなものかを問いました。
今までに「イキイキしていた」と思うのはどのような時だったかを思い出してもらい、皆さんで話したうえで、さらにはチームごとにそれをスキットで表現してもらいます。
チームによって表現は違いましたが、イキイキに「チームワーク・チーム力」は欠かせないと全員が思っていることがわかりました。

次のステップでは映像を見てもらい、イキイキした職場には何があるのかを洗い出してもらいました。
映像に出てくるのはギスギス職場からイキイキ職場に変革し、お客様からも高い支持を集めている実在の歯医者さんの話。
映像を見ながら次々と気になったワードを書き出していきます。
「今までのスタイルを変える」「一人一人の自主性を尊重する」「上下関係をなくした」「笑顔」などの言葉が出てきました。

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では、自分の今の職場はどうだろうか?と組織感情診断(簡易版)をやりながらチェックしてもらいます。
20項目の質問に回答すると、職場の組織感情が「あたたか感情」「冷え冷え感情」「ギスギス感情」「イキイキ感情」なのか判定が出るという、職場を見える化するツールです。
改めて職場を見つめなおしてみると、なぜ自分はそう思ったのか、なぜ今職場の感情はこうなのか、深く考えさせられます。そしてこれから、どこを変えていったらよりよくなるのかと考えるようになります。

イキイキ職場をつくるためにベースとなるのは「関係革新」です。
お互いの信頼関係をつくり、協働力を高めること。
当たり前のことですが、本当に深い信頼関係ができているでしょうか。
胸を張って「できている」と答えられる人でも、定期的に「本当にできているかな」と振り返ってみることをお勧めします。
このベースができていれば、その先にある仕事革新や未来革新はスムーズに進むはずです。

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最後に、お互いをより知るために自分史を語ってもらいました。
自分の人生を振り返り、気分が「晴れ」だったとき、「雨」だったとき、何があったのかを書き出します。
どんな時に自分の天気は変わるのか、気持ちが切り替わるときの共通点は何なのかを言語化する作業です。
それをチームのみんなに話し、その人がどのような背景を持ち、今に至るのかを互いに知るのです。
知ってみると「だからその問題意識を持ってるのか」とか「それで今、この仕事をしているんだね」というように、理解が深まるのはチーム力を高めることに他なりません。
仕事でもそれは生きます。
その人がした発言や行動の裏にある、「思い」を感じることができるからです。

今回参加した皆さんは、互いの思いやりが深く、また仕事に対しても「もっとこうしたい」というポジティブな思いを持っていました。
また、仕事の話になると「あの時にもっとこうすればよかった」「お客様の笑顔に本当に感動した」などといった、オリエンタルランドならではの話もありました。

最後には「もっとこんなことがやりたい」「これから職場のみんなにこんな働きかけをしてみようと思う」といった声が聞こえ、皆さんすでに素晴らしいリーダーシップをお持ちだと感じました。
ワークショップ終了後も講師の和田に熱心に質問する方が複数いて、一日を通して皆さんの本気度を感じることができました。

「人、組織、社会の関係を根本から問い直す」イベント報告(1)
受け入れられないものは受け入れない、をやめるときが来ている 2019年6月19日

2019年5月29日、少し小雨がパラつく水曜日に、ジェイフィールの一大イベント「人、組織、社会の関係を根本から問い直す」は開催されました。

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この日のために準備をしてきた私たちですが、いつもイベント前はドキドキとワクワクでいっぱい。
「あれは大丈夫かな?」という不安は必ず残るものですが、ここまで来たらやるしかないという一致団結感もかなりあります。

今回はイベント報告の第一回として、多くの方から注目を集めた鼎談についてお話します。
ヘンリー・ミンツバーグ教授、野中郁次郎先生、伊丹敬之先生の3人が集うというのは貴重な機会で、この鼎談で何が聞けるのかと楽しみにしているという声は開催前から聞こえていました。
主催した私たちも、とても楽しみにしていたものです。

まず最初は伊丹先生から、人本主義のお話がありました。
日本企業はバブル崩壊後に、確かに「失われた20年」があったものの、働く人たちの智慧とエネルギーを大事にする経営をやってきたということ。
例えば自動車のように3万個もの部品を正確に配置しなければならないような、非常に手間暇がかかる作業をやっていくためには、働く人こそが大事になる。
そこに注力することを戦後の日本はやってきたと。
大衆を草の根で経済活動へ巻き込める。産業民主主義を世界で確実に遂行したのが日本であるというお話でした。

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野中先生からは、「共感」という言葉が何度も出ました。
最初にPDCAを考えるのではない。共感・直観から始まるのだと力強く語られました。
重要なのはまずは個人の思いによる意味づけ、価値づけが出発点になり、それを三人称にもっていかなければ組織的なイノベーションは起こらず、発展しません。そのために重要なのは共感です。
まさに人間。「私とあなた」という二人称を確立することによって自己の主観が「われわれの主観」となり、はじめて三人称に、世界の客観につながる。
変化の中で絶えず普遍的なものを追求することは、人間の生き方を問うことである。そして、アートとサイエンスを動きのなかで絶妙なバランスをとりながら綜合することこそ、人間の善い生き方を追求することに他ならないと述べられました。
つまり、利己と利他というのは対立するのではなく、相互補完であり、であるからこそ共感が大事だということです。
野中先生は最後に「暗黙知・形式知、感性・知性、デジタル・アナログ すべて相互補完だ」と言いました。
対立させるのではなく、排除するのではなく、動態的に二項を両立させていく。
何よりも、「共感」が大事だと明言されたことに、まさに共感を覚えました。

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そしてミンツバーグ教授は、今の世界の状況から「絶対に変わらなければならない」と力強い言葉をもって話し始めました。
最近の世界情勢から考えると、今は危機的状況と言えるのではないでしょうか。
私たちが信じていることに疑問を持ち、崩壊していくだけではなく、どう再生し、新しくしていき、再構築してより善くしていくかの感度を高めることが必要だと。
個人個人でバランスを取っていくことも大事です。
でないと大きな組織でのバランスも取れないし、マネジメントもバランスを欠いてしまう。
コミュニティシップというのはミンツバーグ教授がつくった言葉ですが、リーダーシップと比較して考えていくと、リーダーシップはコミュニティシップを促進するものではありません。
例えば、スティーブ・ジョブズはアート・クラフト・サイエンスのバランスが取れた人ではなく、アートな人でしたが、周りにクラフトやサイエンスな人を置くことでバランスを取りました。
そして自ら商品開発の現場に毎朝赴き、アップル社をコミュニティのようなものにしていきました。
リーダーシップをもってコミュニティシップを築いた例です。
そして、日本はとてもよくバランスが取れた国だとミンツバーグ教授は言いました。
多元セクターのアイデアが政府や企業に入り込んでいるし、西欧諸国の強い個人主義とは違い、日本は正しい方法で個人主義に向かっているように思うと、私たち日本人が気付いていない視点をもたらしてくれました。

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ここから3人の鼎談となりましたが、伊丹先生が「なぜ日本がバランスの取れた国だと思うのか」ともう一度ミンツバーグ教授に聞きました。
すると教授はある動画の話をしました。
裸の男とリーダーシップ」という動画ですが、Youtubeで見ることができます。
このダンスがムーブメントになった瞬間は踊る人がペアになったときです。
ペアになった瞬間にこれはコミュニティシップになる。
これは野中先生が言った「二人称を確立することによって自己の主観が三人称に、世界の客観につながる。」という話につながります。
野中先生は日本人は共感力が強いと言い、伊丹先生もフィーリングが大事だということを日本人はうまくやってきたと言いました。
野中先生は「まず最初に感覚知」が日本人にはあるというのですが、確かに、「空気を読む」とか「間を大事にする」といったことは日本人が得意とするところです。
外国人からは「言ってくれないとわからない」「日本人は世界一わからない」と言われてしまうのですが、例えば「結構です」と言ったときのニュアンスでイエスなのかノーなのか、私たちは普通に理解しています。これは独特の文化なのだと思います。

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ここで伊丹先生が「私たちはこれからどこへ向かうのか」と問いかけました。
野中先生からは「利他とプロフィットを両立するのにはものすごくパワーがいるが、日本人に足りないのはファイティングスピリッツ」というお言葉が。
それを聞いて伊丹先生は「子どもが親に教えろ。若い人が上司に教えろ。という文化が醸成されるといいなと思います」と。
ミンツバーグ教授は「受け入れられないものを受け入れない、というのはやめるときがきている」と語りました。

3名が言っていることは、まさに「問い直し」だと思います。
日本人の「共感力」はものすごいパワーになりますが、それだけでは足りない。
ミンツバーグ教授が言うように「受け入れられない」ものを受け入れていくような、今までの当たり前からの脱却を図らなければなりません。
日本は島国で、長らく鎖国をしていた歴史もあります。
移民の受け入れは極端に少なく、単一民族国家です。
新しい考え方の受け入れやリフレームには、少しハードルがあるかもしれません。
しかし、共感力とバランスがある国だという言葉に自信を持ち、新しい世界をつくっていこうと希望を持った鼎談でした。

<次回は事例紹介や皆さんとの全体対話について報告します!>

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