OPINION

2013年9月

  • 佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」③

    佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」③

    佐藤将 コラム

    3.世界中からのハッピー・バースディ

    先日、シンガポールのアジアヒューマンキャピタル・サミットに参加したときのこと。
    シンガポールだけでなく、世界中から集まった500人を越えるセミナー出席者が、一斉にハッピー・バースディを歌うという機会があった。それをコンダクトするのは、ボストンフィルハーモニー管弦楽団の指揮者、ベンジャミン・ザンダー氏。

    セミナー参加者の中から、誕生日が一番近い一人が選ばれる(恐らく20代後半の女性)。

    1回目の合唱の後・・・
    指揮を取るザンダー氏から、「どこが一番、大事だと思う?」という質問。
    「イエス、最終節の"to you"だよ、to yoUでなく、tO Youだよ!」

    2回目の後・・・
    「悪くない、けど、もっと上手にできるはず!」
    「イエス。もっと体を使って。手を広げて!」
    「最後の"tO You"で手を広げるんだ!」
    「もっと、一歩足を踏み出して!」

    そして、3回目・・・
    彼の指揮どおり、最終節、500人全員が大きく手を広げ、彼女に向かって一歩踏みだし、"tO You"と大きな声で歌い終わる。
    すると、その瞬間、
    それまで、はにかみ笑いをしていた彼女の目から、ボロボロと大粒の涙がこぼれ始めた。

    何だろう?
    この衝撃は?

    何だろう?
    ザンダー氏が伝えたかったことは?

    音楽や演劇が持つ文化(リベラル・アーツ)の力?
    人間が持つ無限の可能性?
    人間同士がつながった時の感動?
    それとも、人は誰もが人間であるという、当たり前の真実?

    ***************************************

    グローバル化が人類に突きつける試練の一つに、国や民族、人種や宗教といった違いをどう越えるかというテーマがある。

    あくまで異国の人は異国の人というスタンスで対応する「異文化アプローチ」でいくのか?
    それとも、「人間は基本的に同じ」というスタンスでいくのか?

    ただ一つ言える事は、21世紀は、20世紀とは大きく違う、ということ。

    交通手段が発達しただけでない。インターネットやスマホ、テレビという通信機器が飛躍的に進化していること(し続けていること)。その中で、語学の翻訳機能もアップ。自国にいながら世界中の「情報」を日々得ることも、世界中の人々と「コミュニケーション」することもできるようになってきた。
    そのツールに乗って、それぞれの価値観や文化まで世界中を飛び交い、地球の裏側に住む人々とも共有できるようになった。

    そのバーチャルな世界の交流は、もっとリアルな、もっとヒューマンな、人間同士のインタラクションにつながる。そのインタラクションは、人が持つ本能的なコミュニケーション能力を、飛躍的に高めていく。もしかしたら原始時代のレベル以上に・・・

    そして、その帰結として、人は気づいていく。

    ***************************************

    わたし達は、時に、グローバル化の歩みの中で、思わぬチャレンジに遭遇するかもしれない。20世紀には想像もしなかった世界を生きるのかもしれない。

    けれど、21世紀、このグローバルな世界に生まれた幸運を、思いっきり、感謝して生きたい。

    21世紀を生きるすべての人に・・・
    Happy birth day "to you" -

  • 佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」②

    佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」②

    佐藤将 コラム

    2.ねえ君はもうグローバル以上

    『一人にできないので、引き受けましたよ』
    「我が社の人材育成のあり方を抜本的に変えたいんです」と言う若手人事マン達と飲んだときのこと。
    「上の世代にもっと期待したい事は何ですか?」と訊いてみた。
    「・・・うん、そうですね、仕事だけでなく、人生に関するお話をもっと聞きたいですね」
    「・・・どうして?」
    「いや、自分は週末、海外の学生を日本企業に紹介するグローバル・インターンシップのお手伝いをしているんですけど(目がイキイキ)」
    「それって面白そう」
    「面白いっすよ。前に、ある学生が来たとき、日本でのホームステイ先が手配されてなくて・・一人で放っておけなくて、引き受けましたよ(目に自信)」
    「へえ」
    「狭い自分の部屋で、背の高いアメリカ人だったから大変でしたけど(Smile)」

    『でも、私たちはこう考えるのです』
    あるグローバル企業の若手研修合宿でのこと。
    入社3年目の若手が、過去2年間の経験を振り返り「自社らしさ」を語る。
    なぜか謙虚でトーンも低い世代だけど、映像を使った目が醒めるプレゼンが続く。
    そして、3つめのグループ。
    先輩達のエピソードや心に響いた言葉が続いた後・・・
    「我が社らしさって何だろう?」・・・
    (客観的な(他人の)言葉や、キーワードが次々とスライドインされる)
    「でも私たちはこう考えるんです・・・」
    (少し間をおいて・・・バーン!)
    「○○○(自分達のアンサー)!」
    (メンバー全員、背筋の伸びたSpiritsある姿勢で)」

    『思い、強いっすよ』
    最近、シンガポールでサマー・インターンをしている日本人の学生たちにお会いした。
    東大の大学院で「フクシマの放射能廃棄物の将来コスト」を研究しているという学生。
    「就職は?」
    「インフラ系がいいですね」
    「それは、今の専攻から?それとも安定志向から?」
    「もちろん、専攻からです!!」
    (少し目に力が入り・・・)
    「僕たちの世代、危機感あります。社会を変えたいって思い、強いっすよ(Shining Eyes)」

    昨今、日本で盛んな「グローバル人材が足りない」という議論。

    でも、その議論、もしかして旧くない?

    かつては、海外で営業や交渉ができる人材はグローバル人材。
    その後、工場や販社で自社のノウハウが伝えられる人材がグローバル人材。

    でも、21世紀、もっといろんなグローバル人材がいてもいい。

    今はもう手の中の携帯ひとつクリックすれば、世界とつながれる時代。
    TOKYOの街は世界中のもので溢れている。
    生まれた瞬間にグローバル、気づいたらグローバル。

    もしかしたら、もうグローバルと無縁で生きる人生なんてないのかもしれない。
    恐らくジャングルの奥地やアフリカの砂漠のど真ん中に行かないかぎり・・・それも、もしかしたら思いっきりグローバルかもしれないけれど。

    もはや時代は、「グローバル人材になるか、ならないか?」(To be, or not to be)という選択肢を迫らない。

    誰もがグローバル。みんながグローバル。

    ***************************************

    それは、無常観を呼び起こした「3.11」のせい?
    それとも、失われた20年を欧米より15年先に経験したせい?
    それとも、上の世代が失敗と呼ぶ「明治パラダイムの敗戦」によって過去のドグマから解放されたせい?

    今のニッポンの若者には、世界に先駆けた「突き抜け感」がある。
    世界の若者が必要とする「力」を宿している。

    だから、 - Just the way you are -
    世界が待っている -

  • 小森谷浩志 連載コラム「東洋思想と組織開発」①

    小森谷浩志 連載コラム「東洋思想と組織開発」①

    小森谷浩志 コラム

    第1回

    私は、組織開発を専門としています。マネジメントチームの支援や固有の特徴を捉えた部門内の活性化、部門横断型の企業の変革などに日々関わっています。その中でいつも浮かび上がってくる問いがあります。

    「人と組織のより本質的な変容はいかにしたら成し得るのだろうか」ということです。

    そのヒントを東洋思想の助けを借りて探究してみたいと考えています。なぜ東洋思想なのかということですが、大きく3つの理由があります。

    ① 全てに命が宿るという生命性に基づいていること
    ② つながりを重んじ関係性を大切にすること
    ③ 全ては変化するという脆弱性が宿っていること

    哲学者の上田閑照は「東洋人だから東洋的であるのではない。むしろ東洋人である日本人が忘れている在り方」という言い方をしています。東洋思想の豊かな土壌に立つ日本人として、東洋からしか成し得ない世界貢献の道があるのではないかと思います。
    なお、東洋思想も広範囲に及びます。ここでは、東洋思想の極点としての禅やその元である仏教に焦点をあててみたいと思っています。

    今年2月に約10年ぶりに来日を果たした、経営学の泰斗ヘンリーミンツバーグは日本へのメッセージとして次の言葉を残していきました。

    「私の見立てでは日本はアメリカ病にかかっている。日本はアメリカに学ぶべきではない。日本は日本の本質に学ぶべきである」

    この言葉は、私の中で今なお響いています。日本の本質とは何なのか、そして日本しか成し得ない世界への貢献とは何なのか、それは深いレベルの組織開発とどう関わっているのか、皆さんと探求してみたいと思います。

    次回は、「変化」を取り上げてみます。
    組織開発とは何でしょうか。端的に言いますと組織の健全化や活性化に関わることであり、変化や更新が含意されています。変化について仏教では全ては移り変わるとし、「諸行無常」と言います。これは、原始仏教の中核思想、三法印の一つで仏教思想の根本原理です。組織開発と仏教の重要な一致点でもある、変化について探究したいと思います。

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