OPINION

2018年1月

  • 佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」⑯

    佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」⑯

    佐藤将 コラム

    16.もう一つの、この世界(II)

    ≪前回より続く≫ 

    先日、イスラエルとのオープンイノベーション・セミナーに参加する機会を得た
    (参考記事
    )。

    イスラエルからやってきた連続起業家(Serial Entrepreneur)のお一人が、
    「イノベーションで一番大事なものは」と問いかける。
    「技術」
    「情報」
    →「ノー」。

    「インスピレーション!」
    「パッション!」
    →「ノン」。
    (・・・)

    「どれも大事だよ」
    「けれど一番大事なのは・・・」

    「出会った瞬間からお互いにリスペクトし合い」
    「"I am a functional specialist"というサイロから出て」
    「自分に対してモデスト(謙虚)」
    「対話を通して誰も持ってない新たな発想を生み出す・・・」
    「"We are a Team!"というカルチャー(組織風土)だ!」。

    ***************************

    あの日、ロンドンブリッジ近くのオフィスでチームになったのは、極めてエキゾチックなミレニアル達だった。
    右隣はイランから来たという。真正面は、パキスタン出身で英国育ち。左横はフランス人だがロシア育ち。英国人は1人しかない。他テーブルを見渡しても、似たような状況だ・・・
    (余談:いずれ東京もそうなるのかな)。

    最初、焦った。
    「イランって、どんな文化だ?」
    「パキスタンって、どこだ?」
    「フランス人だけど、ロシア出身って??」
    「そもそも英国に来て間もないし・・・」
    (ステレオタイプでの異文化対応ができない!!)。

    迷っている間もなく、アサイメントが与えられる。
    「我が社のコアバリューに従った場合、この状況でどう判断し行動するか?」
    限られた時間内に、チームで対話し、発表せよという。

    その瞬間、スイッチが入った。

    ***************************

    最近、日本で次世代リーダーシップ研修をしていて気づいた。

    対話には、少なくとも3つのタイプがあることを。
    1) 経験の共有を通して自身の感情や固定観念に気づく「内省的」対話
    2) 限定した時間で誰もが持ってない新しい知を生みだす「創造的」対話
    3) 相手の靴を履き感情を移入同化する中で一体化する「共感的」対話

    恐らく、上述の「ザ・チーム」には、三つの対話のすべてが必要だろう。

    私見ではあるが、日本のミレニアル世代(20代)は、「内省的」、
    海外のミレニアル世代は、「創造的」。

    ただ、どちらも、羨ましいぐらいに、「共感的」(Empathetic)だけど。

    ***************************

    森の中で感じる、すべてがつながっている感覚。

    そこで感じるのは、アイデンティティではない。
    前世紀的な"近代的自我"というラベルを貼ることでもなければ、
    狭い"自分らしさ"という檻の中に押し込めることでもない。

    あの日、
    多国籍チームの中で、
    スイッチが入った際に感じたのは、
    「肌の感覚が消えていく」感じだった。

    自分を規定するシールド(盾)がなくなっていく・・・
    自分を守るべきバリアー(防御壁)が消えていく・・・

    同じ目的に向かって、
    お互いの過去も未来も関係なく、
    その場に溶けていく。

    けれど、個々人の顔や表情が消えることはなく、
    お互いのポテンシャルが交錯して共感が生まれ、新しい何かが生まれていく。

    ***************************

    ロンドンブリッジ近くのオフィスからは、テムズ川が一望できた。

    テムズ川の流れを見ながら、何度か思った。
    人生は、川の流れに沿って生きるのがいいのか。
    逆らって生きるのがいいのか・・・

    ある朝、テムズ川の上流、「あのタワーブリッジ」の先に、美しい朝陽が昇るのに気づいた。

    その時、ふいに後ろから声がした。

    「どちらだっていいのだ」と。
    「いずれにしても、重力があるのだから」と -

    ***************************

    そう遠くない未来、多くの新世代(ニュー・ジェネレーションズ)が、国家や民族、宗教を越え、チームでつながれたら・・・ひとり一人が、アイデンティティ(近代的自我)に目覚めながらも、それを越え、「エンパシー」や「コンパッション」でつながれたら・・・

    グラス片手に乾杯しよう
    「もう一つの、この世界」に。

    ≪シリーズ二部完結≫

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