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「ヒトマネ」と「コトマネ」
管理職の働き方を改革する「マネジメントシェアリング」Vol.13

重光 直之2025.06.25

こんにちは。株式会社ジェイフィールの重光です。

前回のコラムでは(株)リクルートが取り入れたマネジメントシェアリング事例、「ヒトマネ」「コトマネ」についてご紹介しました。

人のマネジメントは「ヒトマネ」、業務のマネジメントは「コトマネ」が行うことで、マネジャーの負担が減っただけでなく、メンバーも相談のしどころが分かりやすくなり、さらには、マネジャーがきめ細かいフォローをしてくれるようになったので、双方がハッピーになった事例でした。

日本企業では、まだまだ実例の少ないマネジメントシェアリングにいち早く取り組んでいる(株)リクルート。自社で、マネジメントシェアリングの導入を模索する研究会のメンバーには大変刺激的なお話をいただきました。

今回のコラムでは、研究会メンバーからリクルートワークス(株)の村田さんに寄せられた質問をいくつかご紹介していきます。

 

Q:「ヒトマネ」「コトマネ」と、マネジャーを二人にした組織の人件費は上がったのでしょうか?

A:人件費は増えているのは実情です。ただ、(株)リクルートの管理職はミッション年俸制なので、目標に到達出来ないと約束された年俸は支払われない仕組みなのですが、今のところ、「ヒトマネ」「コトマネ」を取り入れている事業所は業績も悪くないので、人件費の増加はそこまで問題にはなっていません。

やはり、2人のマネジャーを通じたメンバーへのきめ細やかなフォローが効いているのだと思います。

 

Q:「ヒトマネ」と「コトマネ」は誰が何を担うかは、どうやって決めるのでしょうか?

A:基本的には手挙げ制です。

傾向として、「ヒトマネ」はキャリア支援やメンター的な役割を担うこともあるので、比較的勤続年数の長い、ベテランの方が向いているし、実際にそのような方が多いように見受けます。

「コトマネ」は、業務の進捗を管理する中で、何をどのメンバーに任せられるか、又はアウトソーシングなどで外部の力を借りられるか、なども考えていくので、マネジメント経験がある人が担っています。

いずれにせよ最終的な目的は「業績の最大化」であり、目指す方向は一緒なので、「ヒトマネ」と「コトマネ」はとても密にコミュニケーションを取っています。

たとえばプロジェクトの進捗が鈍ったら「コトマネ」がそれを「ヒトマネ」に伝え、「ヒトマネ」が面談を通じてメンバーに進捗の再確認を促したり、成果を出すために必要なスキルの習得を後押ししたりします。逆に「ヒトマネ」がメンバーのモチベーション低下を察知したら、「コトマネ」に知らせて目標や計画自体に問題はないか確認してもらう、といった循環を作り出しています。

「ヒトマネ」と「コトマネ」のコミュニケーションは、そのチームのパフォーマンスにとって、とても重要な要素となっているのです。

Q:「ヒトマネ」「コトマネ」を導入したことで、どのような成果・効果があったと評価していますか?

A: メンバー層からは、一人のマネジャーの眼だけでなく複眼で見てもらえるので、評価が公平で良い、や、マネジャーが二人いるので、通常業務の中でコンタクトがしやすく相談がしやすい、などの声が上がっています。

マネジャー層からも、一人より二人でメンバーを見たほうが、見立ての精度が高まる、公平性が高まるとの声もあがっており、人を評価する難しさを解決するメリットを上げている人が多いです。

又、人材登用の観点では、事業遂行に特に強い人を「コトマネ」に、人への関心が高い人を「ヒトマネ」にと、片方の分野で優れた能力を持つ人材が管理職として活躍できる可能性があります。オールマイティな人材でなくとも、得意分野で活躍できる場が広がることで、より多くの、多様な人材を管理職を登用でき、組織力が上がると思っています。

2023年に試験導入を始め、まだまだ発展途上だと話す(株)リクルートの「マネジメントシェアリング」ですが、「ヒトマネ」「コトマネ」と、その名の通りの役割を明確に分けることで、メンバーもマネジャーも、そして組織全体にも多くの好影響をもたらしていることを教えてもらいました。

今後、日本企業の「マネジメントシェアリング」のモデルケースとなり、管理職になりたい人が増えていきそうなステキな制度だと思いました。

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