正木 宏和2026.03.24
第4回開催レポート
テーマ:本質を探究する対話の方法
■ 対話をしましょうの前に
ゼミもいよいよ後半へ。後半の初回となる第4回は、
前回の宿題「対話のための関係づくりの実践」を振り返るところから始まりました。
「感情を聴いてあげる、そんな話も出たが「これだ」みたいな答えは出ませんでした」
「お互いの背景が分かると何がいいのか、、、「そういう人なんだ」という腹落ちがあるだけで何か変わる気がする」
さぁ、対話をしましょう!だけでは、対話ははじまりません。
議論ではなく対話の場を用意し、普段話さないメンバーの声が聴けるような工夫をした参加者は次のように話してくれました。
「メンバーは「表現しないままでいたことを表現できてよかった」と感動してました」
多様な価値観や背景を前提に持つ私たち。
しかし、それゆえに私たちは想像以上に、話し下手に、聴き下手に、なっているのかもしれません。
AIではない誰かに話すことが、聴いてもらえることが、嬉しい。
そんなことを、最近職場で感じることはありますか。
■ 客観視する、背景を知る
一人ひとりが、本音で話して、それをみんなが真剣に聴く。
そんな場ができてきたら、いよいよ違いを超えた本質探究の対話へ。
この日は【職場】をテーマに、今何が起こっているのか、その背景には何があるのかを探究していきました。
「最近、会社が原則3日の出社に。会社の意図は何となくわかる」
「でも、リモート中心の生活を組み立ててきた人が困るのもわかる」
「対面で直接やり取りしたい人も、リモートで効率重視の人も、どちらもわかる」
それぞれに背景があり、育ってきた環境や時代などでも大きく変わるそれぞれの価値観。話を聴けば聴くほど、そのどれにも共感できてしまう。だからこそ悩ましい。
実際に職場で対話をするなかでも、このように人にはそれぞれの正義があるがゆえに、それらをどう扱えばいいか分からなくなることはありませんか。
■ 本質を探究する
そこで高橋は、受講者に投げかけます。
「私たちは、この職場というテーマについて何が今、問われているのでしょうか」
私たちが向き合うべき共通の問い、これを一緒に探究することが、今回のゼミの一番の肝になってきそうです。
続けて高橋はいくつかの問いの例を投げかけます。
「リアルな職場でなければいけないことはあるのでしょうか」
「リアルの職場だからこそ得られるものがあるとするなら何でしょうか」
「逆にリモートでそれらを実現することはできないでしょうか」
参加者もそれぞれの言葉で、本質的な問いを探究していきます。
「この職場は何を大事にしているのか」
「出社してコミュニケーションを改善するというが、本当にコミュニケーションがよくなるってどういう状態のことか」
「職場を語るときに、IではなくWeの職場になっているだろうか」
「Weになるからこその良さって何だろう」
■ 終わりに
今回のゼミでは、違いを超える対話をする上での一番の難所といっていい、共通の本質的な問いの探究を体験してきました。
「結局は自分と向き合えるか」
「会社って何だろう」
「人が仕事することの意味とは」
受講者からは自然と、最後にいろんな問いや感情が零れてきました。
対話をしながら一緒に探究していくと、そこに意味や重なりを見つけられるかもしれない。
もちろん見つけられないかもしれない。
時には自分がいる場所はここではないとハッキリするかもしれない。
それらを自分一人で探していると見えてこないけど、一緒に探していると見えてくるかもしれないし、見えてこないかもしれない。
それでも、もしそこにささやかでも意味や重なりが見えてきたら
「ここだけでもみんな大事にしてったら一緒に働ける」そう思えるような気がする。
では、成果や発見が約束されていない中、私たちは自分を、他者を、対話を、信じられるのだろうか。
私たちはいま、そんなことも問われているのかもしれない。