イキイキ・ワクワク事例集

若き有志が草の根運動で立ち上げた「コミュニティ」が会社全体の活動に!

日本を代表するインターネット関連会社DeNAがRRT(リフレクションラウンドテーブル®)に取組む訳とは

ジェイフィール2022.07.19

会社DATA



  

創業・設立 :1999年3月4日
代表者 :代表取締役会長 南場 智子
代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
従業員数 :連結:2,194名(単体:1,264名)(2022年3月末時点)
事業内容 :ゲーム、エンターテインメント、スポーツ、ライブストリーミング他
URL :https://dena.com/jp/


インタビューイー





株式会社ディー・エヌ・エー
自称 Chief Hope Officer 坂本 宇氏
2012年入社。自ら「Chief Hope Officer 」と称し、一緒に仕事をする仲間と希望、ワクワク、楽しさを共に分かち合う「コミュニティ」を提唱。


全体概要


1990年代後半、一般家庭にもインターネットが急速に普及し始め、Yahoo、Amazon、楽天などが次々と創業された頃、インターネットオークションサイト「ビッターズ」開設と共に株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)は創業されました。創業者である南場智子氏(現会長)の活躍や、エンターテインメント、スポーツ、ヘルスケアなど次々と話題のサービスを展開してきたことから、DeNAは創業当時から注目の企業であり続けています。
現在その規模は、国内外の主要関連会社・子会社は20社を超え、従業員数は連結で約2,200名を超える日本を代表する企業の一つとなっています。

ゲームやエンターテインメントなどインターネットを中心とした事業の中で、個々人が独立して仕事をしているイメージが強いDeNAですが、実は人と人との「つながり」を大切にする「コミュニティ活動」に全社一丸となって取り組んでいるとのこと。
その背景には創業後20数年経過し、人の多様性も出てきて会社文化にひずみが生まれ、文化の再構築が必要となってきたこと、又、人材の流動性が高く、組織にナレッジがたまりづらい構造になってきたこと、などの課題感があったようです。

その「コミュニティ活動」の立役者でもあり、自らを社内の「Chief Hope Officer」と称する坂本氏に、活動開始のきっかけや、賛同者を集い全社運動にまで発展させた熱意と方法、そして未来へとつながる活動について伺いました。




プロジェクト概要




課題


創業後20数年経過し、事業拡大、 従業員数増加に伴い、会社文化に ひずみが生じてきた。
人材の流動性が高く、部署間の横の つながりもない為、組織にナレッジがたまりづらい構造になってきた。

「会社の中でもいろいろな事業が生まれていく中で、人のつながりが全社で少なくなっているなぁと感じている時に、事業部から新卒採用、育成部門に異動になりました」と、自称 Chief Hope Officerの 坂本さんは言います。
設立23年、事業拡大に伴い、人材の多様性も出てきて、会社文化の見直しが必要となってきた。会社設立当初は「個」が尖っていく文化があり「発言責任」が重要視されていたが、近年「傾聴責任」も付加されるように。つまり、人が多くなれば「個」で動いていたものが「チーム」で動かなければならなくなり、様々な意見を尊重し合える組織作りが必要になってきたそう。

坂本さんが上記の課題感から社内に「コミュニティ」が必要だと感じた原体験は、自らの新入社員時代の苦い経験でした。
優秀だと自認していた自分が、いざ仕事に関わると先輩からのダメ出しの嵐。自ら不甲斐なさも感じ精神的にもかなり落ち込んだと振り返ります。
そして、今度は自分が新人の育成に携わった時、一方的な価値観や仕事の仕方の押し付けではなく、フラットな関係性でお互いに意見を言い合えたら、お互い信頼し合え、成長し合えるのではないかと思い、新人育成に「コミュニティ」を取り入れました。




また、変化の速いインターネット業界。当時は毎年100名近い新入社員が入社し、現社員の異動も頻繁におきており、人材の流動性が高く組織にナレッジがたまりづらい構造になっていました。全社をまたいだ「コミュニティ」がナレッジの共有にも必要なのではないかという課題感も抱いていたそうです。


解決策


「新人育成で「コミュニティ」を取り入れていく中で、マネジャーとかメンターとか、他の人たちも結構悩んでいるかもしれない。悩みを分かち合える「場」=「コミュニティ」が必要なんじゃないかな、というのが見えてきたところもありました。」(坂本氏)

そんな実感から、「コミュニティ」づくりは、まずは同期や後輩含む有志8人程で始めたそう。
ライフチャートを書きながら楽しかったこと、苦労したことを深堀りしながら共有し、色々な問いに対してお互い答える「場」を週1回、1年間くらい続けていったそうです。
この体験を通じて、人から言われたことではなく、「自分の中で感じたことだけが自分を動かすことが出来る」という発見があったと坂本氏は言います。
そして社内の新規事業などを提案出来る仕組みを活用。そこに起案し全社活動としてマネジャー向けの「コミュニティ」活動が始動しました。この時に仲間の一人が「ミンツバーグ教授のマネジャーの学校」を紹介したことをきっかけに本格的に「マネジメントハプニングス」※1に取組むことに至りました。

「マネジャーコミュニティで一番軸にしていたのは「経験学習」と「系統学習」でした。新しい知見を入れ込みながら(系統学習)、経験を振り返り内省して(経験学習)、それをもとに新たなことにチャレンジしていく。なので最初に「マネハプ」をやり、次に「RRT」※2を導入しました。これは、順番としても当社の文化にもフィットしていたと思います。」(坂本氏)




坂本氏の社内メンバーの成長と発展の為には「コミュニティ」づくりが大切という強い信念が、仲間を、そして会社全体をも動かし、今では社長(CEO)室直下プロジェクトでRRTだけではなく、マネージャーコミュニティ含むコミュニティ活動を実践しているそう。上位レイヤーもうまく巻き込み、リモートワーク下でもメンバーの相互理解と相互受容がなされる「コミュニティ」活動が活発になされ、活気ある組織運営を実行しているそうです。


成功のポイント


今では会社の中でも市民権を得てきた「コミュニティ」ですが、成功のポイントは志が同じ周囲の仲間から少人数で始めていったことだったようです。皆で意見を出し合いながら試行錯誤を重ね「マネハプ」をやっていくうちに、評判を聞きつけた仲間が増えていき、大きな「コミュニティ」活動となっていったそう。また、相棒となった後輩の存在も大きかったと言います。得意・不得意、性格が違う二人が補完し合うことで知恵を生み出していきました。
そしてどんなに良いプロジェクトもある一定の期間を経ると頓挫してしまう事も多い中、今なお、CEO室直下の全社プロジェクトとして継続出来ているコツは「みんなと行きたい」がキーワードと坂本氏は言います。
「アフリカのことわざで「早く行きたければ一人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け」というのがあるんですけど、僕は違うと思っていて「早く行きたければみんなで行け。遠くまで行きたければみんなで行け」ですかね」(坂本氏)
全ての参加者が当事者意識を持って参加出来るよう、常にみんなに相談しながら一緒にプロジェクトを進めていることが継続の秘訣のようです。そして社内で「RRT」のファシリテーターを増やしていき、「RRT」に参加するだけでなく、広げていく「仲間」を増やしていったことも社内に大きく広がった要因だったと振り返ります。

最後に坂本氏に今後の展望を伺うと「「DeNA University」※3 の活動により注力したい」と語ってくれました。
自分をさらけ出せる安心・安全で前向きな場=コミュニティがないと「マネハプ」や「RRT」は出来ません。そして「マネハプ」や「RRT」と実践することで、個を尊重しながら相手を尊重する「コミュニティシップ」が強固になっていくことを実感したようです。
新入社員、マネジャー、経営陣など立場に関係なく「University」で学び合い、お互いが成長出来るような「場」をつくり、ゆくゆくは企業の枠を超えて地域社会ともつながるような「コミュニティ」をつくりたいそうです。

「Chief Hope Officer」である坂本氏を中心となり、若き有志達が立ち上げた「DeNA」の「コミュニティ」が地域社会に希望を与え、活性化してくれる日が楽しみです。


※1毎週仲間で集まり、自分の中で起きたマネジメント上の出来事を忌憚なくお互いに語り合い、振り返るが出来る場。仲間の経験からも気づきを得て行動変容につなげていきます。
※2マネジャーに必要な5つのマインドセットを醸成するために作成されたテキストを使って、理論を起点にお互いの経験を持ち寄って内省と対話を行うプログラム。
※3 DeNA内の人と知恵が流れ繋がり、循環し育つ場を作る取り組み。「コミュニティ」づくりや「マネハプ」も、この「 DeNA University 」の取り組みの一つです。


担当コンサルタント、小森谷より



リフレクションラウンドテーブル®の産みの親であり、経営学の大家、ヘンリー・ミンツバーグ教授は「戦略クラフティング」を提唱します。従来型の緻密に計画する戦略のあり方に対して、「戦略クラフティング」では、現場での試行錯誤によって臨機応変に創造される創発的なプロセスに力点が置かれます。
今回のDeNAの取り組みも、体験からの学びを活かし、局所で起きたパターンを全体へと展開していくダイナミックな活動でした。坂本さんは、仲間と共に、思いを一つにして、試行錯誤を繰り返し、プログラムを文化にチューニングさせながらも、文化そのものに新しく大胆な彩りを加えていきました。繰り返しの中で、効果を実感した仲間の輪は今なお広がり、「コミュニティ」へと深化しています。
もしかしたら、「会社を変えるなんてとても無理だ」と諦めている人はいませんか。今回の取り組みは、局所の小さな動きが、会社全体に影響を広げ、やがて大きなうねりになっていく、それは決して不可能ではないことを教えてくれる好事例です。

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