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<事例紹介>世界のクボタが挑むエンゲージメント向上活動
「対話」を軸とした取り組みで起きた変化の兆しとは?

ジェイフィール2026.05.14

会社DATA 株式会社クボタ

創業・設立 :1890年
代 表 者 :代表取締役会長 北尾 裕一、代表取締役社長・CEO 花田 晋吾
従業員数  :52,503人 (2025年12月31日現在/連結)15,897人 (2025年12月31日現在/単独)
事業内容  :食料・水・環境の領域において、多彩な製品・技術・サービスによるソリューションを提供
U R L  :https://www.kubota.co.jp


インタビューイー

HR本部 人事企画推進部 企画推進課
近藤 慶乃さん(写真中央)、景山 理実さん(写真右)、沼田 歩さん(写真左)


インタビュー& 記事

渡辺朋子 さん
※今回はジェイフィールの広報をお手伝いいただいている外部スタッフの渡辺さんにインタビューしてもらい、外部の目線でレポートしてもらいました。


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全体概要

株式会社クボタは、1890年創業の日本を代表する機械メーカーであり、「食料・水・環境」という人類共通の課題解決を事業の原点としてきた企業です。
農業機械、水インフラ、環境関連技術といった、人々の生活に不可欠な分野を中心に事業を展開し、130年以上にわたり社会の基盤づくりに貢献してきました。
同社の事業は、大きく「機械事業」と「水・環境事業」の二本柱から成ります。機械事業では、トラクタ、コンバイン、田植機などの農業機械、小型建機を主力とした建設機械、それらに搭載されるエンジンを、日本・北米・欧州・アジアを中心に各国・各地域に展開し、世界の食料生産や産業発展を支えています。大規模農業や高度化する生産現場のニーズに応える製品とサービスを提供し、北米や欧州、アジアを中心に高いプレゼンスを確立してきました。水・環境事業では、上下水道用の管路、バルブ、ポンプ、膜処理技術などを通じ、安全で安定した水供給や環境負荷低減に取り組んできました。水インフラは社会の基盤であり、その維持・高度化には高度な技術力と現場力が求められます。クボタは、長年にわたる実績と専門性を生かし、国内外で持続可能な社会の実現を支えている、世界にとって欠かせない企業の一つなのです。

これらの事業をグローバルに展開するクボタにとって、最大の経営資源は「人」であることは間違いありません。
現在、同社は売上高の多くを海外で生み出すグローバル企業へと成長しており、地域・文化・価値観の異なる多様な人材が協働する体制が不可欠となっています。
各地域の社会課題に向き合い、最適なソリューションを生み出すためには、現場で働く一人ひとりの主体性や創意工夫、そして組織へのエンゲージメントが重要な要素となります。
こうした考えのもと、クボタでは経営の長期ビジョン「GMB2030 」の中核として ESG 経営を推進。マテリアリティの1 つである「従業員の成長と働きがいの向上」を実現するため、2021年よりエンゲージメントサーベイを導入しました。
その結果、「成長への機会」「変化への適応」「業務プロセス」「コミュニケーション」の4つの領域が社員のエンゲージメントに大きく影響していることが分かりました。

この4つの領域に対し、全社施策を中心に様々な制度構築や施策を実行しましたが、より小さな組織単位(部)での活動との両輪で取り組む必要性を実感し、2022年よりジェイフィールにワークショップを依頼しました。

「『対話』を軸に、現場が自らの手で良い組織をつくっていくことで、会社と社員の成長につなげていきたい」、そんな想いをもって様々なアクションにトライしているクボタのプロジェクトをご紹介します。

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■プロジェクト概要

(▲▼クリックすると大きく表示されます)

■課題


JF記者:2021年、クボタのESG経営である「K-ESG経営」の一環として、「従業員の成長と働きがいの向上」を重要課題として従業員エンゲージメント把握のためにエンゲージメントサーベイを実施しました。
最初に調査を行ったのは、管理職と総合職のメンバーでした。その結果を見て、人事部門は驚きと納得が入り混じったような何とも言えない感情を抱いたと言います。

景山さん:実際にエンゲージメントサーベイの結果を見たとき、特にクボタの事業の中核を担う「機械事業」が相対的に低いというのが意外でした。一方で、今のクボタの現在地が可視化された感覚がありました。

近藤さん:そうですね。私も同じ印象でした。サーベイ結果を様々な属性(性別、年代、等級等)の切り口から分析してみると、漠然と感じていた課題感が数値となって定量的に表れ、現状を知るいい機会になったと思いました。一方、課題だけでなくクボタの強みも見えてきました。“自分たちの事業に誇りを持っている”という結果があり、誇りを持てるからこそ行動につながることもあるなと。悪いところばかりに目が行きがちですが、強みも活かしながら活動できればと思いました。

景山さん:サーベイの結果から 「成長への機会」「変化への適応」「業務プロセス」「コミュニケーション」の4つが重点領域だと見えてきたので、課題解決に向けて全社的に取り組む必要があると感じました。



JF記者:エンゲージメントサーベイの結果を受けて、呼称のさん付けやタウンホールミーティングの拡大、副業制度の認可やキャリア開発研修など、これまでやってきた施策の継続や新たなアクションが実施されましたが、すぐにはスコアの向上にはつながらなかったようです。
この結果から、「全社的な施策とあわせて部門単位などの小さな組織からの取り組みが必要だと感じた」と言います。

景山さん:翌年サーベイの結果を見た後、全社的な施策だけでは不十分だと感じました。全社の課題は共通してあるものの、部門にブレイクダウンして分析するとそれぞれ取り組むべき課題は異なることがわかり、部門単位での取り組みの必要性があると感じました。全社施策に加えて、各部門の特性に応じたアプローチを取らないと効果が薄いと感じました。

近藤さん:その通りだと私も感じました。部門ごとの小さな取り組みから始めて、徐々に広げていくことが重要だと感じました。

JF記者:このように、二度のサーベイ実施の結果を受け、経営の長期ビジョンである「GMB2030」を実現するためには、部門単位など小さな組織内の問題点を明確化し、従業員の成長や働きがいの向上を目指す必要があると感じたようです。


■解決策


(▲クリックすると大きく表示されます)

JF記者:全社一律の施策ではなく、各部門ごとの細かい対応が必要だと感じ、2023年よりジェイフィールの部長向けプログラムが始まりました。
このプログラムを導入しようとした思いを以下のように話してくれました。

近藤さん:私たちの中で「自分事化」が大きなキーワードでした。“エンゲージメントサーベイの数字をあげましょう”、と表面的ではなく、“組織づくりが事業によい影響を及ぼしたり、メンバーの働きがいが高まって主体性につながる”、と現場が実感をもって自分事化することを目指したいと思っていました。この姿に合致したのがジェイフィールのプログラムでした。



景山さん:ただ、自分事化するためにはエンゲージメントサーベイの説明会だけでなく、他のアプローチも必要だと思っていました。自部門のありたい組織の姿を描いたり、エンゲージメントサーベイの結果を受け、部長たち自身で具体的なアクションを考えるための支援が必要だと感じたからです。

沼田さん:そうですね。特に部長が自分たちのマネジメントスタイルを見直し、実践的な施策を考える場が不可欠だと思いました。ジェイフィールのプログラムは部長同士「対話」を促進すること、ワークショップの後にメンバーと「対話」を実践することで、共通の目指す姿や課題を認識し、解決策を見つけやすくすると感じました。

JF記者:全社的な取り組みは前述の通り多数実施してきましたが、部長が組織のありたい姿を描き、その姿に向かって組織を良くしていくための「対話」が必要だと認識したようです。
そこで、ジェイフィールのプログラムでは以下3つのステップで、部長自身が組織づくりをリードできるようお手伝いさせていただきました。
1st ステップは自身の組織観や世の中の組織観・リーダーの在り方の変化を知り「リフレームするフェーズ」。2nd ステップは、自組織のありたい姿を描き、具体的なアクションを「考えるフェーズ」。そして3rdステップは、組織内でアクションを展開する「実践フェーズ」です。※図①


図①(▲クリックすると大きく表示されます)

景山さん:ジェイフィールの部長向けワークショップの特徴は、組織づくりのインプットだけでなく、部長同士が「対話」を通じて自分のマネジメントを見直すこと。次に実践フェーズを設けることで、各部長は学んだことをすぐに自分の部門に持ち帰り、実際にメンバーとも「対話」をする機会が得られます。プログラムを通じて理論を学ぶだけでなく、「対話」を実践し、体感するように設計されています。

近藤さん:この実践を通じて、部長たちはメンバーとのコミュニケーションの重要性を再認識することができました。実際に「対話」をすることで、メンバーの考えやニーズを理解することができ、部内の雰囲気や自身の組織マネジメントに良い影響を感じている参加者の声を多く聞いています。

沼田さん:参加者からも、「『対話』を通じてメンバーの意見を聞くことができた」、「メンバーをより深く知ることができた」、というフィードバックが多く寄せられています。このように実践フェーズを通じて得られた気づきや学びが、組織のエンゲージメント向上に寄与すると実感できることが、このプログラムの優れている点だと感じました。

JF記者:座学だけではなく、「実践フェーズ」を設けることで、学んだことを現場で試し、また新たな気づきを得る。次に同じように現場で試した部長同士、問題点や課題点を持ち寄り「対話」をしてもらう。このように、「内省と対話」を繰り返すことで、学びを血肉に変えていくプログラムを展開しました。

■変化のポイント


(▲▼クリックすると大きく表示されます)
JF記者:こうして、2023年から始まったジェイフィールの部長向けワークショップは、全部長の約6割が受講し、エンゲージメントサーベイのスコアにも徐々にその成果が表れ始めているようです。又、組織内で「対話」という言葉が浸透してきていること自体が、大きな前進だと言います。

沼田さん:”組織のありたい姿(=組織ビジョン)”をしっかりと示していきましょう”という内容が、部長の皆さんに刺さっています。実践を通じて腹落ちしているからこそ、そこの重要性に気付けたという声は多いです。

景山さん:最近、ワークショップに参加した部長の方々が、「『対話』を今までしてこなかったことに気が付いた」と、言っているのをよく耳にします。

沼田さん:本当にそうですね。やはり、普段の業務に追われていると、メンバーの声を聞く機会が少なくなってしまいますよね。

近藤さん:メンバーとの「対話」の中で、「“組織のありたい姿”を一緒に考えるようになった」、という声もあり、部長が組織運営を一人で抱え込まなくていいんだ、メンバーと一緒に作っていくんだ、と思えることは、とても大きな成果だと思います。

景山さん:やはり「対話」があると、部長とメンバーだけでなく、メンバー同士の信頼関係も深まりますよね。組織の雰囲気もよくなっていくと感じています。

沼田さん:「対話」というキーワードが、当たり前というか、浸透してきたと思います。1on1の推進もあわせてやっていますが、私たちの部長もワークショップに参加して、これまでよりも対話のハードルが下がっていると感じています。



近藤さん:部門長同士の対話もよい機会となりました。よく考えてみたら、仕事の関わりはあっても同じ部長同士で組織づくりの話をする場って全然ないなと。「同じ悩みを抱えている人と話せたのが良かった」、「自分だけじゃなかったんだと心が軽くなった」、「他の部長の取り組みに刺激を受けた」、という声も多く、それが部長自身の変化につながったと思っています。

景山さん:部長が変わろうとしている姿が部下から見えると違いますよね。メンバーから見たときに、「何も変わらないんじゃないか」、と思うのではなく、「何か変わるかも」、と可能性を感じることがメンバーの変化にもつながると思います。

JF記者: 2025年には、部長だけでなく、その下の課長層にもワークショップを実施しています。
その目的としては、部長と課長とが一体となり「マネジメントチーム」として自分たちの組織をつくっていくこと、そしてより小さい組織単位での取り組みを進めていくことです。

近藤さん:部長がワークショップを受けても、1人で組織づくりを推進するのは難しいという声を実際に聞いてきました。部長の下には課長がいるので、いきなりメンバーに何かするより、課長と一緒にマネジメントしていくことが大事だと考えています。そこにアプローチするために、昨年の秋から「課長向けの組織づくりワークショップ」を始めました。トライアルで20数名募集したら、定員の3倍ぐらいの申し込みがありました。改めて、部長も課長も悩みながら、組織を良くしていくためにどうしていくか、前向きに考えている方が多いと感じています。

JF記者:サーベイ開始から4年、様々な取り組みの結果、「対話」を通じて徐々にスコアも上昇してきているようですが、この活動に終わりはありません。組織は「生き物」ですので、常に刺激を与え、活性化させなければ淀んでしまいます。
世界のクボタが、これまで人々の水や環境を整える役割を果たしてきたように、自社の組織も美しい水のように活性化し続けることを心から願っています。

■担当コンサルタントより

担当コンサルタント:山中健司


3年間、組織づくりワークショップを伴走させて頂く中で部長、課長の様々な変化を感じていますが、一番印象的な変化は部長、課長が「組織づくりを自分事化」したことです。
自分の組織観を見つめたり、職場のメンバーと対話する中で、少しずつ「こんな組織をつくりたい」という思いが育まれる、また、組織の現状や課題についてもメンバーと対話することで、現実と向き合い、乗り越えようという意志が湧いてくる。このプロセスの中で「組織づくりの自分事化」が進んでいきました。
最終セッションで「今まで“組織ビジョンを考えて、組織づくりを行うことを考えていなかった。また、メンバーと対話ができて本当に良かった。自分一人ではなく、メンバーと一緒に組織づくりをすることにやりがいを感じています」という、ある部長の一言が心に残っています。

今回のプロセスを通じて改めて感じた「マネジャーが組織づくりを自分事化する鍵」は3つあります。

1つ目は、組織づくりの目的を腹落ちすること。
ワークショップの企画にあたり、「エンゲージメントを高めましょう」と言っても現場は響きません。部長が自分事化して取り組むためには、エンゲージメントを高めることが目的ではなく、より価値を生み出すための「よい組織を」つくることが目的であるという考え方を伝えること、また、部長がどのような組織をつくりたいかを考えることが第一歩です。「その組織づくりをすることでエンゲージメントが結果的に高まります」と話したことを覚えています。この考え方に人事の皆さんに共感いただき、ワークショップを設計。ワークショップの冒頭でも人事メッセージとして発信頂いています。

2つ目は、メンバーと対話を通じて組織づくりを進めること。
部長の皆さんには、セッションで得た手法や考えた内容をもとに職場に戻ってメンバーと対話することを実践いただきました。自分史やお互いのチーム経験、そこから育まれたお互いの大切にしたい考え方を丁寧に対話しながら心理的安全性を醸成。さらには組織のありたい姿、現状や課題も対話をしながら、一緒に創っていくことで、部長が自分事化するだけでなく、メンバーの納得感も生まれてきました。

3つ目は、ピアサポート、ピアプレッシャーを生み出すこと。
セッションでは部長同士、課長同士がお互いの考え、実践したこと、悩みを生々しく語っていただきます。また、現場に戻ると部長、課長がマネジメントチームとして組織づくりについて対話を行います。そのプロセスの中で、安心感や新たな気づき、取り組みが生まれます。また、他のマネジャーの活動を聞くことが良い刺激となり、これらが重なって実践につながっていきました。

最後に、これらの変化が起きた大事な要素として「組織をより良くしたい」という情熱を持ち、諦めずに色々な人を巻き込もうとする人事部メンバー(事務局)の存在が大きかったと思います。
部長、課長の立場に立って寄り添いながら、一緒にワークショップの進め方、フォローを考えたこと。また、現場でのアクションが生まれるように粘り強く活動を後押しすること。
この事務局の働きかけがなければ、この変化は生まれていなかったと感じています。
引き続き、事務局の皆さんと一緒に知恵を出し合いながら組織づくりに取り組んでいきたいと思います。


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貴社においてもエンゲージメントサーベイを実施したが、思うようにエンゲージメントが上がらないというお悩みはございませんか?

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